YG性格検査の12尺度の因子Tについて
YG性格検査は人の性格特性を12 の尺度(因子)から測定し、グラフ化にしてその因子の強弱の程度を5段階に区切って判定、診断します。
12の尺度の1つ、「因子T」について解説します。
Tは行動特性と知的活動特性の側面から「思考性」を測定しています。
点が低いと(段階1,2)内向思考になり頭の中で内的方法を用いて問題を解決しようとします。
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細かいことにいつまでも考えを巡らす
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深く思考することを苦にしない
ことを表し、考える仕事に向きます。
逆に点が高くなると(段階4,5)思考的外向になり、外部の物事に関心が行きます。
なことを表します。
特に点の高い人は衝動的な人で、思慮が浅く、人当たりは良くても最後のつめができません。
内向思考に向く仕事とは
IT企業には、思考的内向の人が集まる傾向があります。
この人たちは、長時間続けてプログラム開発することを要する仕事に耐えられるのでしょう。
また、生産現場で治工具を製作する人、金型を製作する人など、1つのことに没頭し頭を使って工夫する仕事に適しています。
深く考えすぎる人は、細かいことにとらわれて、決断に迷うという因子Rの低い点と連動している場合が多く見られます。
因子Rと因子Tは内省的な心理を表します。
点の低い人はこの傾向が強くあります。
さらに因子N(神経質)の高い点と因子Rと因子Tの低い点の傾向は連動します。
より一層、些細なことに考え過ぎてしまい、決断に迷うことになります。
外向思考に向く仕事とは
人と接する仕事に適します。
営業職、接客サービス職、保育士、介護士などです。
しかし、因子Tの点が高すぎる場合は、型判定がD型、D準型(積極性安定タイプ)の人でも要注意です。
調子はいいのですが、無計画で成果が伴わない人がいます。
例えば人当たりが良いという点では営業向きですが、因子Tが高過ぎると注文が取れない場合があります。
管理職では、業績が上げられないことが多いので、注意が必要です。
因子をそれぞれ単独で見るのではなく、行動特性グループ(Ag,G,R,T)、知的活動性グループ(O,G,R,T)を合わせて見ると、よりその人の性格が判ります。
(長谷川好宏著 「YGテスト入門」より)
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