YG性格検査は心理学的根拠に基づいた信頼性の高い性格検査です。人材の適材適所のための活用方法をご紹介します。

YG性格検査の12尺度の因子D、C、I、Nについて

YG性格検査は人の性格特性を12 の尺度(因子)から測定し、グラフ化にしてその因子の強弱の程度を5段階に区切って判定や診断をします。
12の尺度のうち、情緒特性を表す因子D、C、I、Nについて解説します。

YG性格検査の因子Dについて

因子Dは情緒特性の側面から「抑うつ性」を測定しています。
点が低いと(段階1,2)
  • 性格が明るい
  • 楽天的(人生に明るい、見通しをもっているさま)
  • 充実感(力が豊かにそなわってしっかりしている感じをもつ)
  • 明朗(明るく朗らかなさま)

を表し、明るく周囲に好印象を与えます。
顔の表情にも表れています。

逆に点が高くなるほど(段階4,5)、気持ちが落ち込んで
  • 憂うつ(気持ちが晴々しないこと)
  • 陰気
  • 無気力
  • 悲観的
  • 罪悪感
  • 虚脱感
を表し、心に悩みを持っていることが多く、因子Cの粗点も高いと神経質的な傾向を示します。


YG性格検査の因子Cについて

因子Cは情緒特性の側面から「気分の変化」を測定しています。
点が低いと(段階1,2)
  • 冷静(落ち着いていてその場の感情に動かされないさま)
  • 同情がない
  • 感情がない
ことを表し、低すぎる(段階1)と冷徹すぎて冷ややかな考えをします。
組織の中にいる人には適度な人間的温かさも欲しいところです。

逆に点が高くなると(段階4,5)
  • 感情の起伏がある
  • 感情的( 理性を失って感情に走るさま)
  • 激情(とどめがたいほどの激しく強い感情)におそわれる
ことを表します。
因子Nの粗点も合わせて高い人は、興奮すると感情が制御できなくなり、ヒステリー的な状態になる傾向があります。
因子Dの高い粗点が重なると神経症的な傾向を示します。

また、因子Oと合わせてみることにより、現実的な人なのか、空想的・感情的な人なのかが判ります。


YG性格検査の因子Iについて

因子Iは情緒特性の側面から「劣等感」を測定しています。
点が低いと(段階1,2)
  • 自信(自己を信頼する力)に満ちている
  • 自信過剰
  • 自信家(自分の正しさを信じて疑わないこと)
を表し、点が低すぎたり、情緒特性グループ(D,C,I,N)のうち因子Iだけが突出して低いと自信過剰で高慢さが表面に出てくると問題です。
組織の中では謙虚さも必要です。

逆に点が高くなるほど(段階4,5)、劣等感が強くなり
  • 自分が人より劣っている
  • 自分は水準より低いという意識
があることを表します。劣等感が強すぎると、冷静な判断ができず、物事を悪い方向に受けとめてしまいます。
中間(段階3)にある適度な劣等感は人に対して謙虚な姿勢を表します。


YG性格検査の因子Nについて

Nは情緒特性の側面から「神経質」を測定しています。
点が低いと(段階1,2)
  • 落ち着きがある
  • 安定感
  • 鈍感
  • 無神経
であることを表します。
点が低い人の中には、普通であれば「痛い」と叫んでしまうような怪我を負っても、何事もなかったような素振りでいることがあります。
このような人は仕事の環境が悪くても苦情を言わずに働きます。

逆に点が高くなるほど(段階4,5)、敏感で
  • 些細なことにも感応する
  • 神経質
  • 神経過敏
ことを表し、神経質で細かいことが気になり始めると、先々のことが心配で取り越し苦労をします。
中間点(段階3)に近いと、適度に神経を使い、気配りのできる人です。

因子Cと合わせてみることも必要です。
因子をそれぞれ単独で見るのではなく、情緒特性グループ(D,C,I,N)を合わせて見ると、よりその人の性格が判ります。

(長谷川好宏著 「YGテスト入門」より)

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