再検査の信頼性

YG性格検査は時間の間隔をおいて検査を実施しても、その性格特性が変わらないことが前提条件です。

ある企業の上級マネージャーにYG性格検査をしたとき、その検査結果に納得をしていただけませんでした。その方の検査結果はある情緒性尺度が突出して不安定さを現していました。
「これは自分の性格を現していない」と主張されるので、日を置いてもう一度、YG性格検査をいたしました。
検査結果を表すプロフィール表は前回と重なるぐらいに同じ結果でした。
そのマネージャーはYG性格検査の結果を認められ、利用していただくことになりました。
誰でも自己の短所は認めたくない気持ちがあります。

またある時、金属製品メーカーより、営業担当者、品質管理担当者を採用するためにYG性格検査の診断の依頼がありました。
応募者5名は、その企業の狙いどおり50歳代の大企業を早期退職された方々でした。
そのうち1名が品質管理担当者として採用されました。
後日、その方に会う機会があり、早期退職時の就職支援でもYG性格検査をした経験があり、今回のプロフィール表と全く同じ結果だったという報告をもらいました。
YG性格検査を作られた辻岡美延先生(関西大学名誉教授)は、その著作でYG性格検査には再検査信頼性があることを述べられています。
※「新性格検査法」辻岡美延 著

次にYG性格検査は、「はたして妥当性評価が正しく出ているのか」
と問われますと、学問的には心理学者の方々に議論をお譲りしたい。
実務者として、私が20数年、使用した経験と事実からは妥当性があると言えます。
実際にテスト評価と被験者の観察・ヒアリングを通して、本人の行動特性と類型プロフィールの性格特性とを比較検証しました。
経験的に言えば、細かい点でのズレはありますが、性格特性の傾向は的中しています。
採用と適性配置の企業の実務面からは、YG性格検査による判定データを使用できると判断できます。
(長谷川好宏著 「YGテスト入門」より)

 

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YG性格検査の限界

YG性格検査は、万能ではありません。これで知能は測れません。
YG性格検査の信頼性は、心理学上では約80%と述べられています。
これは心理学的に高い値ですが100%ではありません。
YG性格検査は、12の尺度(因子)から人の性格を測定するものです。
これで複雑な人間の性格のすべてを解明できるわけではありません。
YG性格検査は12の尺度で性格をCTスキャンしたようなもので、自ずと限定されたものであると考えるべきです。

では、YG性格検査という心理テストは、ウソを言っているのかと言えば、そうではありません。
心理テストも多くの種類が存在します。
それぞれ心理学者のアイデアや学派としての系統の違いもあるかと思います。
いずれにしろ、複雑な人間の心理や性格を何とか分析し、見えない部分を明らかにしょうとするテストです。
学派の違いから自己の学問を正当化し、他の心理学者の理論をウソ呼ばわりすることは、自らの人格の未熟さをさらすこととなるでしょう。

物理・科学の世界でも、用途に応じた測定器があります。
寸法・重さ・容積・電波・放射能など様々でしょう。その測定器の精度も用途に応じてまちまちであるわけです。
肝心なことは実務において、その目的が達せられているかどうかが測定器にとっては大事なことです。
学問の世界で理論の是非を問う「場」と実務の世界で、組織を守り、人を育成する目的のために活用する「場」とは異なってきます。
実務は現実に根を下ろしています。

YG性格検査を「性格判別のできる万能な検査」というとらえ方をするのは間違っています。
また、心理テストはウソというようなとらえ方もまた、大きな間違いです。
大切なことは、YG性格検査の性質を理解し、適切な目的のもと正しく利用することです。
(長谷川好宏著 「YGテスト入門」より)

 

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12尺度の因子Coについて

YG性格検査は人の性格特性を12 の尺度(因子)から測定し、グラフ化にしてその因子の強弱の程度を5段階に区切って判定、診断します。

12の尺度の1つ、「因子Co」について解説します。
Coは人間関係特性の側面から協調性を測定しています。

点が低いと(段階1,2)

  • 協調的(性格・考え方などの異なった者どうしが、互いに譲り合って調和していこうとすること=協同調和の意)
  • 相手を信頼し開放的
  • 警戒心が低い

さまを表します。
見知らぬ人とも警戒せずに対応するため、だまされたりもしますが、人に好感をもたれます。
チームワークのメンバーとして適切な人材です。

また、営業担当者として、営業のスキルには乏しいが、お客様に可愛がられて高い受注高を得ている人もいます。

因子Oと因子Coの双方の点が低い人は、人に妥協しやすいと言えます。
行動特性因子Agの点も低いとその傾向は強まり、人の言いなりになりやすい人です。

逆に点が高くなる(段階4,5)ほど

  • 非協調的(協調的でないさま)
  • 人を警戒し信用しない
  • 人に対して用心深い

ことを表します。

事例として、スポーツ選手の場合は、団体競技より陸上競技や武道のような単独競技をする傾向にあります。
野球は団体競技ですがピッチャーには、このタイプの人が多くいます。
打者に対する警戒心、自分のピッチングスタイルにこだわるなど、行動態様が非協調性を表しています。

ある非協調的(段階4)な営業担当者は、お客様の表面的な発言を鵜呑みにせず、真の心の願いを傾聴しました。
その結果、お客様との信頼関係が深まりました。
営業成績も常にトップです。

(長谷川好宏著 「YGテスト入門」より)

 

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